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「皆さんお久しぶりです。夏休みは楽しかったですか?」 榎木田先生が好々爺らしい笑顔を浮かべながらそう尋ねてきた。「まずは夏休みの宿題を提出していただきましょう。後ろから回してください。」 俺は後ろから受け取ったノートの束に自分のノートを重ね、前の席に渡しながらふと夏休み前のことを思い出していた。 「さっきいったところまでの白文、書き下し文、現代語訳、語句調べをノートにまとめてきて夏休み明けの授業で提出してください。それを夏休みの宿題とします。」 生徒からブーイングが上がる。「夏休み中も漢文に触れる癖をつけましょう。積み重ねが、大事ですよ。」 榎木田先生の口癖だ。老齢で優しい国語科の教師だが、いつも課題の量が多いことや、実は昔はとても厳しかったという噂から裏では鬼木田と呼ばれている。 授業が終わるとすぐに陽介が俺のところにやってきた。「漢文なんてなんでやらなきゃいけないんだよ。」 確かテスト前にも言ってたセリフだ。飽き飽きとしてくる。「そもそも漢文が国語ってのが納得いかないよな。」「どういうことだよ。」「古文はさ、昔の日本語だろ?」「もちろん。」「でも漢文は、中国のやつじゃん。」 確かに、漢文は日本語ではない。「でも中国の国の言葉って意味では、国語だろ?」 屁理屈には屁理屈で返してみる。「じゃあ英語、みたいな感じで別の語学の授業としてした方がよくない?」 そういわれるとそんな気もしな

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