「教師を支える会」を主宰する“現場教師の作戦参謀”こと諸富祥彦先生による連載です。多くの著書を通して ①多忙化・ブラック化、②学級経営、子供への対応の困難さ ③保護者対応の難しさ ④同僚や管理職との人間関係の難しさ、という「四重苦」が学校の先生を追いつめていると警鐘を鳴らしてきた諸富先生に、教育現場の現状やそれに対する危機感、そして現場教師へのアドバイスについて伺います。
本当にいい教師とは何か
初めまして、諸富祥彦です。「教師の悩み相談」を専門とするカウンセラーとして長年活動してきました。前職の千葉大学教育学部に在職しているころから「この先生はできる」と私が思う先生方と知り合う一方で、教師の悩みを聞く「教師を支える会」を開いてきました。
それらの経験に基づいて、私なりに考える「教師に必要な資質」とは何かを示すために、数年前『教師の資質』(朝日新書)という本を書きました。幸い好評をいただき、そのバージョンアップした本を出してほしいという要望が寄せられました。そんなリクエストに応じて最近出版したのが、『いい教師の条件』(SB新書)という本です。
その本を執筆するうちに、「本当にいい教師とは何か」を考えさせられる事件が発生しました。みなさんご存知の、神戸教員間いじめ暴行事件です。
考えるきっかけとなった「いじめ暴行事件」
これは、社会的影響の
「いい教師」の条件とは?

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